現在、わが国のがんによる死亡者数は年間30万人を超え、死亡原因の第1位を占めるようになりました。しかし診断と治療の進歩により、一部のがんでは早期発見、そして早期治療が可能となってきました。
がん検診はこうした医療技術に基づき、がんの死亡率を減少させることができる確実な方法です。
肺がん検診を受けましょう!
★ がんによる死亡のうち、男性の第1位、女性の第2位!
肺がんは、男女合計の死亡者数が一番多いがんです。早期の肺がんに症状があることはほとんどありません。
毎年1回の胸部X線検査を受けましょう。
★ タバコを吸うと肺がんのリスク(肺がんになる確率)が2~5倍に!
タバコを吸う方で、1日の本数が多い、または吸っている年数が長い方は、X線検査に加えて痰の検査も受け
ましょう。
胸部X線検査
いわゆる「レントゲン」です。
胸部にX線を当ててX線写真を撮影する検査です。
たんによる肺がん検診のすすめ
たんが出る人は毎年受診することが大切です。
喀痰細胞診検査
たんの中に含まれている細胞を染色して、正常な細胞かどうか顕微鏡で調べる検査です。
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たん検査を受けた方がよい人(検査対象者)
・50歳以上の男性でたんが出る方
・タバコを1日に吸う本数×年数が600以上の方
・男性でも女性でもセキ・タンが現在ある方
20歳になったら子宮がん検診を受けましょう!
子宮がんは、子宮の入り口にできる「子宮頸がん」と子宮内部にできる「子宮体がん」があります。
子宮頸がんは、20歳後半、30歳ぐらいの方からの発見がふえています。
子宮体がんは食事の欧米化により増えているがんで、50歳以降の方に多く発見されています。
こんな方に検診をお勧めしています。
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20歳以上で、今まで一度も子宮がん検診を受けたことのない方。
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前年子宮がん検診未受診の方。
子宮がんの種類
子宮がんには「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2種類があります。
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子宮頸がん
- 子宮の入り口(頸部)にできるがんです。
- 子宮がん患者の約80%の方がこれに当たります。
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子宮体がん
- 子宮の奥の方(体部)にできるがんです。
- 50歳以上で不正出血のある方は、この検査も必要となります。
検診の種類
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車両検診
- 公民館などで、ご近所の方々といっしょに受診できます。
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施設検診
- ご都合の良い時間に、最寄の病院で受診できます。
乳がん検診を受けましょう!
★ 女性のがんのうち、かかる確率第1位!死亡の第5位!
女性の12人に1人がかかる乳がんですが、早期で発見できれば、9割以上が治ります。早期の乳がんに症状があることはほとんどありません。早期で発見するために乳房X線検査を2年に1回受けましょう。
乳房X線検査(マンモグラフィ)
乳房にX線を当ててX線写真を撮影する検査です。
この検査では、約500人に1人の方にがんが発見されていて、7割以上が早期のがんです。
検査では、上半身の衣類を脱いでいただきます(検診車でも個室で着替えができます)。
撮影機器に乳房を挟み、X線を当てます。挟んでいる時間は10~30秒くらいです。
検査時間は写真の枚数によりますが、5~10分です。
※ただし、以下に該当する方は「検診」ではなく、医療機関で「精密検査」を受診してください。
妊娠中、または妊娠の可能性のある方、授乳中の方
豊胸術を受けた方(自家組織を注入した方も含む)
心臓ペースメーカー装着、V-Pシャント留置、または前胸部CVポート留置している方
乳がんの手術をしたことがある方
自覚症状がある方
乳がん検診のパンフレットのダウンロードはこちらから
乳房超音波検査
乳腺の発達している方は、マンモグラフィ検査での画像診断が困難なことがあります。それを補う検査として、超音波検査は有効です。
- 検査は、上半身の衣服を脱ぎ、ベッドに仰向けに寝ていただきます。
- 乳房に検査用のゼリーを付け、機器を当て、乳房全体を観察します。
- 検査時間は約10分です。