現在、わが国のがんによる死亡者数は年間30万人を超え、死亡原因の第1位を占めるようになりました。しかし診断と治療の進歩により、一部のがんでは早期発見、そして早期治療が可能となってきました。
 がん検診はこうした医療技術に基づき、がんの死亡率を減少させることができる確実な方法です。

胃がん検診を受けましょう!

★ 胃がんの死亡率は、肺がんに次いで第2位!

 早期の胃がんは、10年生存率が95%であると公表されました。
しかし、早期の胃がんはほとんどが無症状であることから、早期で発見するために、定期的に検診を受けましょう。

胃部エックス線検査

胃のX線画像
  • 撮影は、日本消化器がん検診学会の指針に則った方式で行います。

  • 現在の病状、既往歴、家族歴、過去の検診受診状況をお聞きします。
    また、当日の体調や飲食、薬の服用状況をお聞きします。

  • 検査は8体位行い、5分程度で終了します。

  • 検査の進行状況により、適宜追加の撮影を行います。

  • 検査後に、下剤と検査後の注意点を記載したリーフレットをお渡し
    します。速やかに下剤を服用して、白色のバリウム便が排泄される
    まで、たくさんの水分を摂取して下さい。

胃透視検査の注意事項はこちらからご覧いただけます。

胃透視検査の詳しい撮影法はこちらからご覧いただけます。

大腸がん検診を受けましょう!

 大腸がん検診は、便に混じっている微量の潜血をみる便潜血反応検査ですので、手軽に検査できます。
食事の欧米化に伴って、近年増加している「がん」のひとつです。

大腸がん検診はこうしておこなわれます。

大腸がん検診
  • 便潜血反応検査

   ・潜血とは、肉眼では見えない血液という意味です。
・人の血が混じっているかを検出する検査です。
・この検査は、食事・薬の制限もありません。
・容器に便を二日分とるだけです。

  • 大腸がん検診を受けたほうがよい方

   ・40歳を過ぎた方
 大腸がんは50歳を過ぎると多く発見されています
・女性より男性を!
 大腸がん・大腸ポリープは女性より男性が多い。

肺がん検診を受けましょう!

★ がんによる死亡のうち、男性の第1位、女性の第2位!

 肺がんは、男女合計の死亡者数が一番多いがんです。早期の肺がんに症状があることはほとんどありません。
毎年1回の胸部X線検査を受けましょう。

★ タバコを吸うと肺がんのリスク(肺がんになる確率)が2~5倍に!

 タバコを吸う方で、1日の本数が多い、または吸っている年数が長い方は、X線検査に加えて痰の検査も受け
ましょう。

胸部X線検査

 いわゆる「レントゲン」です。
胸部にX線を当ててX線写真を撮影する検査です。

たんによる肺がん検診のすすめ

肺がん検診

たんが出る人は毎年受診することが大切です。

喀痰細胞診検査

 たんの中に含まれている細胞を染色して、正常な細胞かどうか顕微鏡で調べる検査です。

  • たん検査を受けた方がよい人(検査対象者)

   ・50歳以上の男性でたんが出る方
・タバコを1日に吸う本数×年数が600以上の方
・男性でも女性でもセキ・タンが現在ある方

20歳になったら子宮がん検診を受けましょう!

  子宮がんは、子宮の入り口にできる「子宮頸がん」と子宮内部にできる「子宮体がん」があります。
 子宮頸がんは、20歳後半、30歳ぐらいの方からの発見がふえています。
 子宮体がんは食事の欧米化により増えているがんで、50歳以降の方に多く発見されています。

こんな方に検診をお勧めしています。

子宮がん検診
  • 20歳以上で、今まで一度も子宮がん検診を受けたことのない方。

  • 前年子宮がん検診未受診の方。

子宮がんの種類

子宮がんには「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2種類があります。

  • 子宮頸がん

  • 子宮の入り口(頸部)にできるがんです。
  • 子宮がん患者の約80%の方がこれに当たります。
  • 子宮体がん

  • 子宮の奥の方(体部)にできるがんです。
  • 50歳以上で不正出血のある方は、この検査も必要となります。

検診の種類

  • 車両検診

    • 公民館などで、ご近所の方々といっしょに受診できます。
  • 施設検診

    • ご都合の良い時間に、最寄の病院で受診できます。

乳がん検診を受けましょう!

★ 女性のがんのうち、かかる確率第1位!死亡の第5位!

 女性の12人に1人がかかる乳がんですが、早期で発見できれば、9割以上が治ります。早期の乳がんに症状があることはほとんどありません。早期で発見するために乳房X線検査を2年に1回受けましょう。

乳房X線検査(マンモグラフィ)

 乳房にX線を当ててX線写真を撮影する検査です。
この検査では、約500人に1人の方にがんが発見されていて、7割以上が早期のがんです。

  • 検査では、上半身の衣類を脱いでいただきます(検診車でも個室で着替えができます)。

  • 撮影機器に乳房を挟み、X線を当てます。挟んでいる時間は10~30秒くらいです。

  • 検査時間は写真の枚数によりますが、5~10分です。

※ただし、以下に該当する方は「検診」ではなく、医療機関で「精密検査」を受診してください。

  • 妊娠中、または妊娠の可能性のある方、授乳中の方

  • 豊胸術を受けた方(自家組織を注入した方も含む)

  • 心臓ペースメーカー装着、V-Pシャント留置、または前胸部CVポート留置している方

  • 乳がんの手術をしたことがある方

  • 自覚症状がある方

乳がん検診のパンフレットのダウンロードはこちらから

乳房超音波検査

乳房超音波検査

 乳腺の発達している方は、マンモグラフィ検査での画像診断が困難なことがあります。それを補う検査として、超音波検査は有効です。

  • 検査は、上半身の衣服を脱ぎ、ベッドに仰向けに寝ていただきます。
  • 乳房に検査用のゼリーを付け、機器を当て、乳房全体を観察します。
  • 検査時間は約10分です。
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